
村瀬 悦子
(むらせ えつこ)
東京都 杉並区
2016年12月開設
テューターになる前はどんなお仕事をしていましたか?
大学では英文学を専攻し、卒業後は地元・愛知県の企業で総務の仕事に携わっていました。また、海外から紅茶を輸入する業務にも関わり、現地視察でスリランカを訪れたこともあります。
現地の方々が母語ではない英語を、自信をもって話している姿がとても印象的でした。
発音が聞き取りにくいこともありましたが「伝えたい」という気持ちがはっきりと伝わってきて、「英語は完璧でなくても、気持ちを込めて話すことが大切なのだ」と実感しました。
発音や文法が気になり話すのをためらう日本人が多いと感じていたので、この体験は私にとって大きな学びでした。
その後、結婚を機に退職し、東京での生活をスタート。新生活に慣れる間もなく子どもを授かり、自然と育児中心の生活へと移行しました。
慌ただしい毎日の中で、子どもと絵本を読む時間が私の癒しとなり、心から楽しんでいたのを今でも覚えています。
この絵本を読む時間を通して子どもと心を通わせることの大切さに気づいたことは、のちにラボ・パーティと出会う土台となりました。
テューターになったきっかけを教えてください。
きっかけは、英語が堪能な夫の同僚に「どうやって英語を身につけたの?」と尋ねたことでした。その方は「小学生の頃、ラボ・パーティというところでやっていた英語劇のような活動が楽しくて、それがきっかけで英語が好きになった」と話してくれました。
「英語劇」ということばに強く惹かれ、劇を通して英語を話す・表現することは、子どもにとって自然で楽しい学びになるのではと直感しました。
すぐに最寄りのパーティ(教室)に問い合わせてみて、子どもを通わせてみることにしました。異年齢の仲間に甘えたり助け合ったりしながら、目を輝かせて楽しむ子どもたちの姿を見て、「この直感は間違っていなかった」と確信しました。
下の子が幼稚園に入り自分の時間が少しできた頃、所属していたパーティのラボ・テューターから「テューター・スクール(テューター向け初期研修)に行ってみませんか?」と声をかけていただきました。
軽い気持ちで参加したところ、これが予想以上に楽しく、私自身も刺激を受けました。「教え込むのではなく、子どもたちの力を引き出す」——そんな役割に魅力を感じ、テューターとしての一歩を踏み出しました。
普段はどのような活動をされていますか?

現在、自宅で週3日、4クラスを運営しています。
活動は歌やダンスから始まり、その後は「テーマ活動(英語・日本語で語られる物語の劇表現)」を通して物語の世界に入り込んでいきます。子どもたちは登場人物になりきり、全身で表現しながら英語に親しんでいます。
また、節分・イースター・七夕・ハロウィン・クリスマスなど季節の行事も大切にし、日本や海外の文化に触れる機会も積極的に取り入れています。
近隣のパーティとの交流会やキャンプ・合宿などのイベントも、子どもたちの成長に欠かせない重要な活動です。家庭や学校とは異なる環境の中で「自分のことは自分でやる」ことや、「仲間と協力する」ことの大切さを伝えるよう心がけています。
テューターになってよかったこと,たいへんなことはなんですか?
【よかったこと】
何よりもまず、子どもたちや保護者の皆さまとの出会いが、私にとって何よりの喜びです。
ラボ・パーティは「子どもの英語教室」ですが、それだけではなく、保護者の方と「共に子どもを育てるあたたかいコミュニティ」としての面もあり、それがとても魅力的だと感じています。
保護者の皆さまと子どもたちの成長を見守りながら、喜びや悩みを共有し励まし合える関係を築く中で、私自身も子育てに対する多くの気づきや学びを得ることができました。
ラボ・パーティでの経験は「子どもを信じて見守ることの大切さ」など、私の子育ての軸をつくる大きな支えとなっています。また、ラボ・テューター仲間とのつながりも大きな財産です。
それぞれが自分らしいスタイルや感性を持ちながらも、共通して思いやりがあり、子どもたちへの深い愛情をもっています。エネルギーと柔軟な感性を持ち合わせたラボ・テューターの皆さんの姿勢から、私も日々刺激を受けています。人生の先輩としても尊敬できる方々と共に歩めることは、本当に心強いことです。
そしてもう一つ、ラボ・パーティの活動の中で感じる「日常に物語がある豊かさ」も、私にとって大きな喜びの一つです。
ラボ・パーティの根幹には「ラボ・ライブラリー」と呼ばれる、英語・日本語で録音された物語教材や絵本があります。
物語があることで日々の生活に彩りが加わり、心がふっとやわらかくなる瞬間や、わくわくする気持ちが自然と生まれます。忙しい毎日の中でも物語に耳を傾けることで、ほんのひととき現実を離れ心が自由に遊びはじめます。そしてその豊かな時間をラボ・パーティの子どもたちと共に楽しめるのは、ラボ・テューターだからこそ味わえる特別な喜びです。
【たいへんなこと】
ラボ・パーティには「マニュアル」や「カリキュラム」がありません。目の前の子どもたちの様子を見ながら、それぞれの個性を尊重し、どう活動をつくりあげていくかは常に試行錯誤の連続です。
統一されたカリキュラムがないぶん自由度が高く自分の想いを形にできる反面、難しさもあります。
それでも、その自由さが大きなやりがいになり、自分自身の成長を実感することも多くあります。
これからラボ・パーティでしていきたいこと,夢はなんですか
「家でも学校でもない、もうひとつの居場所(サードプレイス)」であり続けること
子どもたちが「自分らしくいられる」場所を提供し続けることが一番の目標です。自分の気持ちや意見をことばにして仲間と分かち合う中で、自己肯定感や他者への思いやりを育む場でありたいと願っています。
「物語を通じて、心に残る体験を」
ラボ・パーティには心を育てる物語がたくさんあります。限られた子ども時代の中でたくさんの物語に触れ、自分の「大好きな物語」に出会ってほしいと願っています。
「国際交流を通して、子どもたちの視野を広げたい」
海外ホームステイプログラムなどの異文化体験は、子どもにとって大きな刺激になります。
「世界を知りたい」「行ってみたい」と自ら思えるような心を育てることが大切です。物語や日々の活動を通じて、未知の世界への興味と挑戦する気持ちを育んでいきたいと思っています。
どんな方にラボ・テューターをお勧めしたいですか?
○「あたたかな環境で子どもを育てたい方」
子どもたちが安心して自分を表現できる場所で、ことばと心の成長をサポートできます。
○「自分のペースでやりがいを見つけたい方」
時間の使い方に柔軟性があり、自分らしく働きながら子どもとともに成長できます。
○「子どもと一緒に成長を楽しめる方」
子どもの未来を見据えながら、一瞬一瞬のやり取りを楽しみ、純粋な発想を面白がれる方にぴったりです。