吉岡 香織
(よしおか かおり)

宮城県岩沼市
2015年5月開設

テューターになる前はどんなお仕事をしていましたか?

 短期大学の英語科を卒業後,電気関係の会社で副支店長秘書業務,社員が使う消耗品システムの管理,お客様からいただいたお金の管理などをしていました。仕事で英語を使うことはありませんでしたが,中学時代から英語が好きだった私は,社内の英語サークルに加入したり,自己啓発としてTOEICを受けたりしていました。

テューターになったきっかけを教えてください。

 会社勤めの間に結婚することになった時,主人は青森県勤務でした。共働きだと数年間は別居しなければならなかったので私は退社し,青森県にある主人の社宅に入りました。そこで,今,仙台地区で一緒にお仕事をさせていただいている先輩テューターと出会ったのが,私がラボ・テューターになろうと思った最初のきっかけでした。
 “同じ社宅の奥さん”同士として話している間に,私が漠然と英語が好きだという事を話したところ,「ラボって知ってる?」と聞かれました。当時の私はラボのことを聞いたことがなく,それにまだ自分の子どももいなかったのですが,まずは体験してみようと思い,先輩の3歳未満のクラスに参加させてもらいました。
 英語の歌を聞きながら,楽しそうに動き回る子どもたちとお母さん方を見て,驚きました。英語にふれるのにこんな方法があるのか! と。
 そう感じたのは,私が英語を学んできた環境にあります。中学で初めて英語に出会い,高校卒業まで「英語=受験科目」としか思っていませんでした。でも,文法やイディオムが好きで,点数も取れるので英語はずっと好きでした。しかしこの,ごく一般的な日本の英語教育カリキュラムで,決定的に欠落していると私が思っているものがあります。それは「英語耳」! つまり「英語を聞く力」です。私自身も,受験期のヒアリング問題には苦労させられました。
 さらに,短大のオーラル・イングリッシュ(会話)の授業で痛感したのは,「聞く力」に加えて「話す力」のなさでした。きれいな金髪の外国人の先生と会話をする授業だったのですが,なにしろ何を言っているのかわからないし,何を言っているのかわからないから何と返せばいいかわからない。話そうとしても受験期にたくさん覚えたはずなのに,パッと頭の中にひらめかないから言葉も発せないという具合。「聞く」と「話す」のは,別の努力が必要なのだと実感しました。
 私には3人の子どもがいますが,ラボのように楽しく,身体を動かしながら英語を聞いたり発したりという時間を増やしてあげたい! 私のように「聞く」「話す」で苦労してほしくない! と思い,3人とも5歳頃からラボに入会させています。現在,高校生,中学生,小学生の子どもたちは,私が苦労したこの2つの事をあまり苦労と感じていないようなので,ラボに入れていてよかったと思います。
 退社してからは3人の子育てに没頭していましたが,また何か働き始めるなら自分が成長できる仕事がいい,もし辞めたとしてもずっと私の中の残るような,心がときめく仕事がしたい! と思っていました。ですので,一番下の娘が幼稚園に入るときにテューター・スクールのお話をいただいたときには,「これだ!」と思いチャレンジしました。

普段はどのような活動をしていますか?

 今は木曜と金曜の週2回,2グループで活動しています。この春から新一年生になった小学校低学年グループと,小学校高学年~高校生のグループです。
 通常クラス以外のイベントを行う時は,ご近所のお子さんや会員のお友達にも声をかけ,地域ぐるみでイベントを楽しんでいます。一番大勢が来てくれるイベントはハロウィーンですね。お世話になった先輩テューターを見習い,仮装姿で“Trick or Treat!”と言って,おかしを配ってくださる家を巡り,町内を練り歩きます。毎年やっているので,最近では9月頃になると地域の方から「今年もやるんでしょ?」とお声をいただくようになりました。
 4~5月までは,新型コロナウィルスの感染が全国的に心配されたなかでもなんとか繋がろうと,初の試みでオンライン・クラスをしていました。6月からは通常の対面の活動に戻って活動しています(20年7月現在)。

テューターになってよかったこと,
たいへんなことはなんですか?

 よかったことは,自分の子どもと一緒に楽しめることですね。クラスの中でとりあげたお話や歌を,テレビや本屋さんなどで見かけると,「ほら,あれ!」などと一緒に盛り上がることができます。また,キャンプの後などは特に,「うちのグループのシニアメイト(高校生リーダー)がね!」などと話して,子どもが目を輝かせる瞬間を間近で見ることができます。
 テューターの仕事の魅力は,子どもたち一人ひとりの成長に保護者の皆様と一緒に長い年月をかけて寄りそえることや,厳選されたラボ・ライブラリー(英語・日本語で録音されたラボの物語教材)から豊かな英語の表現を子どもたちと一緒に楽しみ味わえることです。たくさんの人やラボ・ライブラリーと出会い,そこから受けるたくさんの刺激や新しい発見が自分をときめかせてくれることも,ラボ・テューターになってよかったと思うことの一つです。
 そして,先輩ラボ・テューターは皆さん,キラキラした素敵な方ばかりだったので,私が今キラキラしているかどうかはわかりませんが,テューターの仲間になれてうれしいです。
 大変なことは,決められた指導マニュアルがなく,テューターに臨機応変さが求められることです。クラスでとりあげる歌やお話の計画はありますが,実際にその中のどこに興味を持ち,深めるかどうかは子どもたちの気持ちによっても決まります。ですから,テューターとしては,事前に予想されるあらゆる準備をしておかなければなりません。でも,子どもたちは私の想像を上回り,想像もしていなかった歌やお話をリクエストされることもよくあります。そんな時も焦らず柔軟に,子どもたちと一緒に考えながらその場を楽しむことを心がけています。まさにラボは実験室(Laboratory)です。開設から5年が経ちましたが,毎回クラスの前は緊張します。

これからラボでしていきたいこと,夢はなんですか?

 クラスのメンバーをどんどん増やしていきたいです。ラボは人数が多ければ多いほど,子ども同士が刺激し合って成長していきますから。そして私のクラスで育ったメンバーが,地域のラボ交流活動やキャンプのリーダーとして活躍してくれたらうれしいですね。
 また,ラボの国際交流プログラムで来日した海外の青少年との交流など,外国の方々とのコミュニケーションも積極的にしていきたいです。いろいろな国の習慣や文化を聞くことは,私にとって,非常に刺激的で楽しいです。
 夢は,ラボ・ホームステイ交流プログラムの引率者として,ラボの子どもたちと一緒に北米に行くことです。一番下の娘が北米ホームステイ交流に行くときに,「一緒に行きたい」と心ひそかに考えています。

どんな方にラボ・テューターをお勧めしたいですか?

・子どもの小さい変化やハプニングをおもしろがれる人!
・「違い」を受け入れておもしろがれる人!
・英語や外国が好きな人。
・仕事にやりがいを求める人。
・素敵な同僚と共に働きたい人。
・自分の中に,「心温まる何か」をずっともっていたい人。

 どれか一つでも当てはまったならば,ラボ・テューターはお勧めです。