藤 清由里
(とう さゆり)

神奈川県横浜市西区
2016年7月開設

テューターになる前はどんなお仕事をしていましたか?

 不動産鑑定士として,総合不動産会社(いわゆるディベロッパー)で働いていました。不動産コンサルティング,ビルのプロパティ・マネジメント,企業広報等を担当しました。
 仕事自体は英語にも子どもにも関係ありませんでしたが,社内の英会話研修に参加したり,趣味で子ども向けのカラーセラピーの資格を取ったり,振り返れば今につながることを学んでいました。

テューターになったきっかけを教えてください。

 会社員だった頃は,長時間労働が当たり前で,育児をしながらこの仕事を続けていけるだろうかと,先のことを考えると不安でした。その頃趣味のゴスペル教室で出会った方に「子育てと両立できる仕事ってあるんでしょうか?」と相談したところ,「あるわよ!」とラボ・パーティを勧められました。その方は元テューターで,ラボを通して自らのお子さんを育てたことや,かわいいクラスの子どもたちに囲まれてやりがいのある仕事であることを教えていただきました。
 「ラボ・パーティは本物のコミュニケーションを目指すから,中学生になると一ヶ月ホームスティプログラムに参加できるのよ」と言われた言葉が強く心に残り,結婚して退職した後すぐにテューター・スクールを受講しました。

普段はどのような活動をしていますか?

 週に一度のクラスには,幼児から小学校高学年の子どもたちがいます。クラスの前には,子どもたち一人ひとりの成長を思いながら,英語の歌を楽しむためのゲームやダンス,テーマ活動(英語・日本語の物語の劇表現)に興味を深めるための導入,リーダーシップを育むための働きかけなどを考えて準備をします。
 クラスではソングやゲームをした後に,テーマ活動をします。テーマ活動では,私も子どもたちと一緒に体を動かします。私が役になりきると,いつの間にか子どもたちも英語の物語の世界の中に入り込み,ストーリーをすでに知っているはずなのに,驚いたり大笑いしたりします。子どもたちは物語の世界に入り込む体験をくり返すことで,ことばだけではなく,仲間の気持ちを考えられるようになったり,物語についての考えを主体的に発言したり,ことばを使うために必要な力も身につけていきます。そんな子どもたちの成長していく姿を間近で見られるのが,とてもうれしいです。また,大人では考えもつかないような豊かなイメージで物語を楽しみ,仲間とコミュニケーションをしていく子どもたちの姿に,心から「子どもってすごいなぁ」と感動する日々です。
 毎週のクラス以外には,保護者にお子さんの成長を報告したり,発表会やクリスマスなどのイベントをしたりします。他にも募集活動やテューター研修など,することは多岐にわたりますが,どれも自分のペースでできるので子育てと両立しやすい環境です。

テューターになってよかったこと,
たいへんなことはなんですか?

 一番よかったことは,自分の子育ての軸ができたことです。
 子どもたちが大人になる時代には,私たちの時代とは職種も働き方も大きく異なっていると思います。そんな中,親であれば誰しも「子どもに何を身につけさせてあげたらいいだろうか」と悩みを持つのではないでしょうか?
 ラボ・パーティのプログラムでは,子どもの自己肯定感を高めること,自分から仲間やお友達を作れること,世界に羽ばたける力をつけることなど,どんな時代でも必要な力を育むことができます。自己肯定感を育むために,子どもを見つめ,いいところを見つけ出し,ほめて伸ばすことは,育児に追われていると忘れてしまいがちですが,ラボ・テューターをしていれば,自然と子育ての軸をそこに置くことができます。
 また,子どもを取りまく環境がよいのも,よかったことです。会員保護者の皆さんにも我が子の成長を見守っていただいたり,多くの先輩テューターに育児相談をさせてもらったりと,幸せな育児環境です。
 そして子どもたちの成長を実感する時は,とても感動し,やりがいを感じます。自主的にゲームを考えてきたり,何も言わなくても小さい子と手をつないであげていたり,私にお手紙を書いてきてくれたりと,単に英語を身につけるだけでなく,主体性やコミュニケーション力を大切にしているからこそ感じられる成長がたくさんあります。
 たいへんなことは,子どもたちを見る目を実践のなかで養っていくことです。子どもたち一人ひとりの「第二の母」になった気持ちで関わっていると,子どもたちがプログラムに主体的に取り組むために何をして楽しませてあげればいいだろうか,自分の声かけはその子にぴったりだっただろうかと悩みます。ですがそんな時は,先輩テューターに相談するといつも具体的なアドバイスがもらえます。子どもたちの楽しませ方も惜しみなく教えてくださり,とても助けになっています。
 また,開設してから第二子を妊娠しましたが,いつもイベントや募集活動などに誘ってくれる近隣の先輩テューターが代行してパーティに来てくださり,おかげでクラスの子どもたちに迷惑をかけずに乗り越えることができました。

これからラボでしていきたいこと,夢はなんですか?

 子どもたちに国際交流(ホームステイ)体験をさせてあげたい。文化が違ってもお互いにわかり合える感動を,感性の豊かな子どもたちにさせてあげたいです。クラスのメンバーをもっと増やして,子どもたちと一緒に様々なお話の世界にひたりたいです。

どんな方にラボ・テューターをお勧めしたいですか?

 仕事と育児の両立に悩む方は,ぜひ「ラボ・テューターについて」の説明だけでも聞いてみてください。仕事をすることが子どものプラスになる貴重な場が,ここにあります。仕事に悩んでいると息子は「ママ,絶対ラボをずっと続けてね」と言い,自分から手伝ってくれたり,イベントなどの提案をしてくれます。ラボを始めてから,子どもとの関係が,より親密でよいものになりました。
 また,ご自身のお子さんがいなくても,お子さんが好きな方にもおすすめです。子どもたちの心に寄り添い,第二の母となる仕事なので,我が子のようにかわいいお子さんに囲まれて仕事ができます。子どもたちの成長する姿を見守るのは,とてもやりがいがありますよ。