長田 容子
(おさだ ようこ)

愛知県小牧市
2006年8月開設

テューターになる前はどんなお仕事をしていましたか?

大学は教育大学の小学校課程美術科を卒業し,小学校と中学の常勤講師を5年ほどしました。担任をもち,クラブ活動の担当までしていました。 その後,日本を紹介するというプロジェクトでアメリカに渡ることに。現地の小学校で日本についてさまざまな質問をされたときに,なかなかじょうずに説明できない自分を感じました。 帰国後は広告代理店で広告デザインをし,結婚と同時に退職,専業主婦になりました。

テューターになったきっかけを教えてください。

 専業主婦として9年が過ぎたころ,なにか始めたいなと思っていました。ちょうどそのときラボ・テューターの募集広告が新聞に載っていました。 そこにあった「子どもといっしょにできる仕事です」といったフレーズが私の目に飛び込んできたのです。
 当時,私の子どもは長男(6歳),長女(3歳),次男(1歳)と小さかったのですが,私は自分がなにかしたいからといって,子どもを人に預けてまで働きたくはなかったのです。 ですからこの「子どもといっしょに」というフレーズにとてもひかれました。
 説明会に行ってみるとそこには私が知っている絵本がずらっと並んでいました。まずそれに興味をもちました。 教材を購入することに悩まなかったわけではありませんが,指導者にならなくてもわが子のためにレベルの高い教材を購入したと思えばいいかな,と指導者講習であるテューター・スクールを受けることにしました。
 1歳児を連れての受講はたいへんでしたが,大学で入っていた演劇サークルのことも思い出し,テーマ活動(英語・日本語での物語の劇活動)も楽しくできました。 そして受講しながら,この仕事は自分の子育てにも役にたつのではないかと考えていました。
 最初はわが子3人と長女の友人とでスタート。直後の夏休みには,わが子3人を連れてファミリーキャンプに参加。ラボのキャンプでは,はじめて出会う友だちといっしょに生活し,ラボの活動をします。 そのときに子どもの自主性にまかせる活動や,1歳児が高校生といっしょに活動できる場があることを知りました。 「このような場はほかにはない!」と感激した私は,自分の子どもをこのような環境でぜひ育てていきたいと思ったのをいまでも覚えています。

普段はどのような活動をしていますか?

現在,乳幼児から中学生まで43名の会員がいます。
 毎週の活動は「テーマ活動が楽しいパーティ(クラス)運営」をめざしています。いくらいい教材でも,毎日家庭で聴くというのはむずかしいものです。 ですから私は家庭でCDライブラリー(教材)を聴きたくなるような楽しいパーティをこころがけています。週に1回のパーティが楽しければ,子どもは家でライブラリーを聴こうとするものです。 英語の習得もライブラリーを聴くことの積み重ねの延長にあり,ラボのさまざまな活動の原点はライブラリーを聴くことにあると思っています。
 また,年間を通じてさまざまな行事を行ない,子どもたちが成長できる機会をつくるようにしています。ナーサリー・ライム発表会(春),夏には近隣のパーティとの交流会,や大学生との交流会, 幼児だけのお泊まり会をしたりします。ほかにもイースター,ハロウィーン,クリスマス会,暮れには地域のパーティと合同で発表会を行います。
 このような行事を通して,少しずつ子どもたちが成長していることが目にみえてわかってきます。たとえば現在年長のSは,昨年まで発表会ではお母さんのひざの上, 交流会でも輪の中に入ろうとしなかったのですが,今夏の発表会ではみんなのまんなかに立ち,生きいきと歌い,新しい友だちとも関われるようになりました。 人前に立つことや多くの人と出会い,ともに活動する経験の積み重ねが,子どもの心を育てているのでしょう。

テューターになってよかったこと,
たいへんなことはなんですか?

 自分の子どもの成長を,多くの子どものなかでみられたことは大きいと思っています。
 今夏,長男(中2)はラボの海外ホームステイ・プログラムで,カナダのブリティッシュ・コロンビアに1か月間滞在しました。長い時間をかけて彼自身がホームステイに参加したいと思う気持ちを育てることができました。
 長女(小4)はとても協力的です。幼稚園では英語の歌を口ずさんで,広告塔をしてくれたこともありました(笑)。 いまでは幼い子どもたちにとてもやさしく接することができ,先日のわが家でのお泊まり会ではすっかりリーダーの役割を果たしていました。
 次男(小2)は,いつも私にまとわりついていたのですが,そろそろ私から離れつつあります。 先日の発表会では当日になって急病人がでたのですが「ぼくやってもいいよ」と王様役をかってでるというたくましい一面もかいまみられました。
 テューターの仕事でたいへんだなと思うことは,保護者の方がたにラボを理解していただく努力が欠かせないということでしょうか。 親の迷いが子どもに影響を及ぼしますから,長く続けるためにも,入会後,ラボを理解していただく努力は必要です。私は毎週のパーティでのようすを,お迎えのとき保護者一人ひとりに伝えます。 「○○ちゃんは,こうでしたよ」「○○ちゃんは,こんなことをいってましたよ」といったようにです。また父母会などでは将来的に参加できるプログラムの紹介もします。 先のヴィジョンをもってこの活動に子どもを参加させてもらいたいと思っているからです。

これからラボでしていきたいこと,夢はなんですか?

 私は学校とは異なるラボのような環境が子どもには必要ではないかと思っています。 評価されたり,比べられたりする場が多いなかで,自分の思いが伝えられる,ふだんとは異なる自分を発散できる場所,評価を気にせずにいられる環境。 そういったラボの存在価値を意識しながらラボ活動をしていきたいですね。

どんな方にラボ・テューターをお勧めしたいですか?

 これから子育てをしようという人にはぜひお勧めです。私自身,多くの子どものなかで自分の子どもの成長をみられたことはとても大きかったのです。 またわが子に英語を習わせたいと思っているなら,ほかの教室に通わせるより,家族で成長していけるラボがお勧めです。これまでのさまざまなラボのプログラムを経験してきた長男が, つい先日「わが家はラボに出会えてよかったね」といったのには驚きましたが,とてもうれしかったです。