杉原 日名子
(すぎはら かなこ)

石川県金沢市
2007年10月開設

テューターになる前はどんなお仕事をしていましたか?

 東京の外国法事務弁護士事務所に出産前まで勤めていました。
 そこでの経験で,チームワークの大切さと文化の違いによるコミュニケーションの難しさを知ることができたと思います。

テューターになったきっかけを教えてください。

 娘が生まれた時,目に映るもの全てがキラキラと輝いて見え,いつもの景色が全く違うものに見えるほど心が躍りました。私の新米ママ生活のスタートです。大変なこともありましたが,我が子の成長は自分の成長と共にあると信じて楽しく子育てしていました。
 ある時,0歳の娘とふと立ち寄った当時住んでいた東京都目黒区自由が丘駅近くの書店から,心地よい声が聞こえてきました。英語で絵本の読み聞かせをしていたのです。その声の主は,あるラボ・テューターでした。その出会いが私とラボ・パーティの初めの一歩でした。絵本に見入る幼い子たちの丸く見開いた目,その先にいるテューターの優しい眼差し,まるで書店の中のその場所にだけ温かい風が吹いているように感じました。それから何度か書店の読み聞かせに出かけるようになり,テューターの人柄と読み聞かせていたラボ・ライブラリー(英語と日本語で録音されたラボの物語教材)の豊かさに引き寄せられていきました。そこで,娘をラボ・パーティに入会させました。
 ですがその時,数年後には金沢市に転居することが決まっていたこと,金沢でも娘にラボ活動を続けさせたいという思いに背中を押され,転居する前にテュータースクールを受けることにしました。そして,金沢市に転居して後,開設しました。

普段はどのような活動をしていますか?

 北陸地区の石川県金沢市にある自宅で週3日,主に夕方から活動しています。
 ほんわか幼児グループ,元気いっぱいの小学生グループ,中1から大学2年までの縦長の団結力のある中高大生グループがあります。中1のある女の子が「親戚の集まりみたい」というくらいの仲良し集団です。
 ラボの活動の中心は「テーマ活動」という英語と日本語の劇表現です。その過程で子どもたちはたくさんの出会いを経験します。ライブラリーを何度も聴いて,たくさんのことばと出会い,想像力を広げてお話の世界を旅します。そしてライブラリーを聴いて日本語と英語の違いや不思議に思ったことなどを仲間に伝えるところから活動が始まります。もちろん,自分と違う考えや価値観に出会うこともあります。すると子どもたちに相手の意見を理解しようとする心が芽生え,お互いの意見の聞き合いが始まります。そうして仲間とイメージを共有した後は,みんなで劇をつくり,自分たちがお話を通じて感じたことを,相手に伝わる表現にします。
 その過程は,私が以前の仕事で感じていた,チームワークの大切さを子どもたちが体感し,文化の壁によるコミュニケーションの難しさを乗り越える力が育つことに通じています。そして自分の考えを受け止めてくれたという思いを重ねることで,自分の価値にも気づき自信につながっているように感じます。
 お話の世界を想像し,ことばだけでなく,ノンバーバルな部分の表現力も育て,子どもたちは気持ちの伝わることばや表現力を身につけています。

テューターになってよかったこと,
たいへんなことはなんですか?

 子どもたちの笑顔にたくさん出会えること。
 お話を表現するテーマ活動では,子どもたちは自分の考えだけではなく,周りと意見を分かち合うことで学び合い,自ら問題点に気づき,動き始めます。ことばもその活動の中で自然と育まれ,気持ちが動くことでことばを生き生きと発するようになります。そんな子どもたちの姿を見られたとき,テューターとして喜びを感じます。
 また今の子どもたちは,自分の能力を低く自己評価して決め付けているように感じています。だからもっと自分に自信を持ってもらいたいと強く感じていますし,そうなるために私ができることは何なのかといつも考えています。それはとても難しい課題であると感じています。

これからラボでしていきたいこと,夢はなんですか?

 英語を発することで嬉しい気持ちになり,物語に興味を持つことで気持ちが動き,恥かしがり屋な子どもでも堂々とした表現ができてきます。それは子どもたちが,「お話が好き」から始まり,それを伝える楽しさを知ったからです。これからも私も仲間の一人として,子どもたちと一緒に物語の世界へ想像の旅に出かけたいと思っています。
 そして将来,OBOGと想像ではない世界旅行に出かけることが夢です。

どんな方にラボ・テューターをお勧めしたいですか?

 子どもの笑顔が大好き! な方にぜひ仲間になってもらいたいと思います。