小玉 由紀
(こだま ゆき)

秋田県男鹿市
2007年5月開設

テューターになる前はどんなお仕事をしていましたか?

 子どもの成長を応援したり,子どもの環境作りに関係する仕事がしたい。英語に関係する仕事がしたい。そんな思いから,フランチャイズの英語教室の事務局で営業事務をしていました。
 その仕事を選んだきっかけは,大学4年生の時に経験した,一年間のアメリカ留学です。その時に強く感じたことは,アメリカ人でも日本人でも,子どもの時の環境や経験がその人の人格や人間形成に大きく影響されるということでした。アメリカ人だからとか,日本人だからというよりも,アメリカ人でも日本人みたいな性格の人もいるし,逆もある。だからこそ,子ども時代にたくさんの人と交わったり,経験したりすることがとても大切なのだと気づきました。

テューターになったきっかけを教えてください。

 15年前に,夫の実家のある秋田県に移住しました。自分の知らない土地で自分には何ができるのだろうと考え,仕事を探しながら人とつながる場を作りたいと子育て支援活動をしていました。その時に親子の触れ合いの時間を作るためにマザーグースを学ぼうと思い,知り合いの方の紹介でラボのマザーグース広場に参加したことが,ラボ・パーティとラボ・テューターを知った最初のきっかけです。
 英語絵本の世界を劇ごっこにして疑似体験し,自由に表現することが純粋に楽しかった,というのが最初の印象でした。そして,英語を教えるのではなく,子どもから学んでいくというラボ・テューターのお仕事に共感を得ました。
 ラボ・パーティの物語を使った英語教育と,人との交流を大事に異年齢で育ち合うプログラムに共感し,まずは自分の子どもたちにたくさんの経験をさせたいと思ったのが,ラボ・テューターになろうと思ったきっかけです。

普段はどのような活動をしていますか?

 毎週火曜日,水曜日,土曜日にラボの教室があります。幼児から小学生クラス,中高生クラスがあります。活動の中心は,英語日本語の物語を劇にする,テーマ活動です。取り組む物語をみなで選び,劇にして動き,物語のテーマについて深めたり意見を交わしたりします。そして,みなでひとつのものを作り上げていく過程で,コミュニケーションの力も伸ばしていきます。
 クラスの年間行事として,お正月は餅つき新年会,3月は進級進学おめでとう会,8月は海遊びと流しそうめん,10月はハロウィン,12月はクリスマス発表会など,季節のイベントを子どもたちと企画したりして楽しんでいます。
 また,そのときに取り組んでいるお話に関連したお料理やお菓子づくりなども行い,ことばだけでなく,お話の世界や文化をまるごと体験しています。

テューターになってよかったこと,
たいへんなことはなんですか?

<よかったこと>
●子どもたちの成長ぶりを見ることができたこと
 とてもワンパクだった男の子が,高学年になって優しく小さい子の面倒を見てくれるようになったり,キャンプを経験することで,自分で少しずつなんでもできるようになったことを実感できるのはうれしいことです。
 また,ものの見方や考え方について,ラボの子どもはほかの同学年の子よりも多くの気づきがあるように感じます。3泊4日のキャンプ,海外ホームステイ交流,海外青少年ホームステイ受入れなど,さまざまな交流活動を通じて感動を味わっている子どもたちの姿を見ると,たくさんの交流体験が子どもたちを成長させ,いろいろな角度からものを見る力がついているように思います。
●ラボでしか出会えない先輩テューターとの出会い
 子どもへのまなざし,深い愛情,エネルギーあふれる素敵な先輩テューターに会うことができ,ライフワークとして目標にしたいと常に学ばさせていただいています。
●テーマ活動という教育プログラムから学べること
 英語の物語を劇表現にするラボのテーマ活動というプログラムには,人と人とのやりとり,多方面からの見方,考え方の共有など,異年齢グループの中で人とつながりながら,ことばとコミュニケーションについての学びがたくさんあります。
 人との関わりが薄くなっている現代ですが,ラボではFace to faceで人とつながる力や,小さい時からさまざまな体験を乗り越えることで,どんなに困難なことが起こっても踏ん張って生きていける力がつきます。
<たいへんなこと>
 ラボは,自由に創造力を広げられる場なので,私もいつもその時に取り組んでいるお話のことや,子どもたちとどんなことをしたいかを考えています。自然と,わが子との会話もラボのことが多くなります。考えることがたくさんあることはたいへんといえばたいへんですが,親子で共通の目的に向かってやりとりできることは幸せなことだとも思います。子どもたちに支えられ,一緒にいろいろな思い出が作れたことはよかったことでもあります。

これからラボでしていきたいこと,夢はなんですか?

 「ひとりだちへの旅」をコンセプトにする,ラボの北米ホームステイ交流に引率者として参加し,子どもたちのホームステイの様子を見たり,自分自身も現地での交流を経験したいです。
 また日本国内では,地域の自然を生かして,男鹿でラボのキャンプがしたい! そして男鹿で,国内や海外の仲間とたくさん交流ができたらいいなと思います。

どんな方にラボ・テューターをお勧めしたいですか?

 子どもが大好きで,子どものためにいっしょにチャレンジしたり,楽しむことが好きな人。子どもといっしょに自分も成長することができます。
 子どもたちにたくさんの体験の機会を与えたい人。都会に住んでいなくても,いろいろな世界とつながるきっかけを作れる仕事です。